寿録短歌の会 黒川勝利(6)◎博多祇園山笠の候new

      2024/08/26

短歌と写真/黒川 勝利

 

 我が家の周辺ではハナミズキが街路樹として用いられている(写真左)。
 日本の桜と交換にアメリカから送られてきたことで知られているこの木は、落ち着いた雰囲気で当地のような中規模の団地に良く似合っている。桜がワシントンのポトマック河畔において日本と同様に豪華絢爛に咲き誇り、毎年春に開かれる全米桜祭りには、ウィキペディアによれば、およそ70万もの人が訪れているのとは対称的だ。
 我が家の庭にもハナミズキの木を植えているが、団地の街路のハナミズキの白い花に対して我が家では薄いピンク色の花が咲く。もっとも、どちらも今年は散ってしまった。現在我が家の庭で白い花を付けているのは昔ながらのヤマボウシである(写真右)。
 ハナミズキはこのヤマボウシに似ているということで、これもウィキペディア情報だが、植物学上の標準和名としては「アメリカヤマボウシ」と呼ばれているらしい。

 

 ご多分に漏れず当地でも運転者不足や収支悪化などの事情でこの春にバスの時刻表が変更された。数本の減便だが、それでも一本逃すとかなり長く待たされることが多くなった。加えて数年後のプランも発表された。それによると団地周辺の路線はミニバスによるローカル線とされ、駅や市中心部へは現在のような直通ではなく拠点となる営業所で乗り継ぐ形へ再編されるようだ。
 さて、どうなるか。我が家は終の住処として購入したつもりであったが、将来あまり不便になるようなら再考せざるを得ないかも知れない。

 

 6月のはじめに法事で久しぶりに故郷に帰った。私は糟屋郡宇美町の大谷という地区で生まれ、小学校に入る直前に黒穂という地区に移った。そして中学校の途中でさらに柳原という地区に引っ越した。
 高校を卒業した後は東京、そして岡山だから、ぼくが宇美町に住んだのはその3地区だけなのだが、それから数十年を経てふと気がつくと、その3地区の全てが別の地名に変わっていた。改名の理由も経緯も知らないし、はるか昔に故郷を離れたぼくにそれを嘆く資格があるとも思わない。しかし、それでも西鉄バスには感謝しても差し支えないだろう。大谷も黒穂も柳原も地名としては消えたが、その全てがバス停としてはまだ名を残しているのだ。

 

 

 

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