寿禄短歌の会 市丸幸子(7)◎処暑の候

      2024/02/06

 
◎越中おわら風の盆

 
 「君に僕のふるさとを見せてあげたいな」そんな言葉で、「風の盆」への旅に誘われたことがありました。「越中おわら風の盆」は、富山市八尾町に300年以上受け継がれている風封じの祭です。
 「日本一美しい夜祭」のうわさ通り、胡弓や三味線の調べに合わせ、編み笠を深くかぶった若い男女が舞い踊るさまは、幻想的なまでの美しさ。踊り手は25歳までの未婚の男女で、幼い頃から、その気品ある所作を徹底的にたたきこまれるのだそうです。あまりに雅で艶やかな風情は、男友達の親しさを忘れてしまうほど(少し嫉妬^^)の感動的な体験でした。

 
◎京都鹿ケ谷/俊寛僧都山荘跡

 
 俊寛僧都とは、「平家物語」を彩る陰のヒーローの一人で、平氏打倒を企てたクーデターの首謀者。密告により計画は露見し、俊寛は喜界ケ島に流されその地で亡くなりました。
 京都市左京区鹿ケ谷霊鑑寺横の山道には、彼らが謀議を重ねた山荘跡を示す石碑がたっています。通りかかったときはちょうど今頃、残暑が厳しい日盛りで、蜩(かなかな)がしきりに鳴いていました。

 
◎上賀茂神社観月祭

 
 人間はもともと一つの真円だったものが、真っ二つに分かれ離れ離れになってしまったというのが「ハーフムーンの伝説」。それゆえ人は皆、生まれたときからその片割れを恋焦がれ、探し求める旅を続けるのだそうです。

 
◎吉田拓郎/旅の宿

 
 古い荷物を整理していたら、度々の引っ越しによる断捨離を耐えぬいた、吉田拓郎のレコードが出てきました。あの頃の男子は皆拓郎のファッションを真似て、時代のアイコン的な存在でしたね。
 「僕の髪が肩まで伸びて…(結婚しようよ)」とか「浴衣の君は薄の簪…(旅の宿)」だとか、私生活をそのままカバーしていく歌作りや、ちょっと不良少年っぽい彼の声が好きでした。
 音楽や本との出会いは、誰かに教わったり、プレゼントしてもらったり、人との出会いが思い出と一緒に甦ってきますよね。どれもみな、一人では決して会えなかったものばかり…。

 
◎六甲ガーデンテラスの別れ

 
 哀しい思い出です。

 

 

 

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