奈良大和四寺みほとけ展

      2019/11/07

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

◆室生寺の国宝、十一面観音菩薩立像、平安時代9~10世紀

 

 

昨日、9月としては20数年振りという35.6℃を記録した東京。今日11日も厳しい暑さが残る。午後、上野の国立博物館本館に「奈良大和四寺みほとけ展」を観る。

奈良県北東部の古刹岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院の名宝を集めた展覧会には、国宝4点、重要文化財9点が出展されている。

中でも、室生寺の国宝2体に心惹かれる。

十一面観音菩薩立像のふっくらした頬と見開きの小さな目が、観音の慈悲深さを表しているかのようであり、細線で刻まれるさざ波のような衣文が美しい。

木彫仏の傑作釈迦如来坐像は一木造り。鋭い彫りで重厚な風韻を見事に表現している。

岡寺の国宝義淵僧正坐像は、日本古代僧形彫刻の名作。重量感のある体つきと深い皺は長年修行を重ねてきた高僧の深い精神性を表している。

長谷寺の十一面観音菩薩立像は、重文ながら美しい光背を持つ静謐な印象を与える像である。

みほとけは全部で15体ほどの小さな展覧会だが、外国人を含めたくさんの人が訪れている。

点在する現地の寺々を巡って観るのもいいが 、こうして一堂に会するみほとけを拝するのもまた素晴らしい。

 

(お断り)昨夕、インターネットに接続できなくなり、今日(12日)送りました。

 

 

 

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