君は沖縄をどう思っているのか new

      2024/10/02

住田 章夫

2024年9月、遂に岸田政権退陣による政局の混乱は次期政権の争奪で、自民は9人の総裁候補者、野党筆頭の立憲は代表候補4人が立ち、まずは23日の立憲臨時党大会で 『新代表には野田元首相』が決定。
「そうか、妥当な線だな。でもいい男なんだが、ここ一番での喧嘩の仕方を知らないのが残念かな」
ふと12年前の彼の「空振った大立ち回り」を思い出しながら、うとうと夜長の眠りに就いた。

沖縄県尖閣諸島

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 《 ラジオドラマ 【ある日の街頭録音】 》

アナ 「こちらJR新橋駅前です。アッ、すみません、ちょっと。TBSですが尖閣問題どう思いますか?」
私  「いったい何の番組ですか?」
アナ 「サンデーモーニングです」
私 「ああ、毎週観てますよ。物知りのゲストが売りですね」
アナ 「有難うございます。ところで今回、石原都知事が都で買って船溜まりを作ろうとした処、慌てて野田さんが国で買って現地には何も触らないと発表した訳ですが、どうなると思いますか?」
私 「よくやったと言いたい処ですが、国が前に出ると、中国としてはメンツにかけても“ムキ”になるんでは」
アナ 「じゃ、どうしたらいいのでしょ?」
私 「国家対国家となると、彼らにとっては理屈じゃない。戦争覚悟です。だから民間が前に出た方がいい。例えばですが、“自然保護活動”を利用したらどうですかねぇ?」
アナ 「な~るほど。まだ誰も言ってませんね、そのアイデアは。でもそんな受け皿ありますか?」
私 「つまり石原さんには、折角集めても使えなくなった14億7000万円を、日本ナショナル・トラスト協会に寄付して貰う。中国が今回、10万人を越した不特定多数の“篤志家”相手に戦争すると思いますか?
私 「本題はここからです。それで日本の領有権を主張しておいて、少しイカサマ的ですが“米国海軍”に貸与する。
一方、漁業権・海底資源採掘権については大人の会話でちゃんと中国と分け分けする」

アナ 「ちょっと待って下さい。米国に貸与して何するんですか?」
私 「“普天間”を移設するんですよ。普天間基地は5Km2、魚釣島は4Km2ですが、岩山崩せば同じ広さになるでしょう。そのお金は地主から戻して貰う国の20億5000万円を今度は国防費として活用。そして不良米兵を皆、その島に送り込み、朝から晩まで土方作業。悪さしようにも相手が居ない。オスプレイも日本国中みんな集めて好きなだけ落下訓練。そうすりゃ沖縄県民は大喜びで提灯行列・・・。まだ続けますか?
アナ  「ももう、結構です。スタジオさ~ん、お返ししま~す」
私   「じゃまあ、今日はこんくらいにしときましょ」
アナ  「一体、どなたですか?」
私   「いやなに、名乗るほどの者じゃござんせん」

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そこでテレビの画面がジャーと雨降り音、で目が覚めました。果たして「正夢」なのか、「逆夢」か。確か深夜のニュースで、「石原さんが都知事を辞任する」とか言ってたような・・・。秋の夜長の変な夢でした。

《解説》 沖縄県石垣市 尖閣諸島 

尖閣諸島を開拓したのは、福岡は八女出身の古賀辰四郎。1870年代、八女茶の販路拡大に沖縄に進出した処、高級ボタン用の夜光貝で財を成し、東シナ海の開拓へと発展。とうとう1895年(明治28年)政府から尖閣諸島を30年間の無償貸与を受け、鰹節工場、アホウドリ羽毛加工工場を建設し、一時は280名もの島民を擁した。その後、1932年(昭和7年)、約束通り、島は長男に払い下げられたものの、第2次大戦中、事業停止に伴い、総引き揚げ。そしてその島は1970年代になって、埼玉の知人に4600万円で売却。
そして今回、2012年9月。尖閣諸島の魚釣島など3島を20億5000万円で国が買い上げた。
領有権については日本が1895年,領有化して70年経ち、1970年に入って、国連調査団が石油埋蔵を確認するや否や、中国や台湾が権利を主張し始めた。

本題: さて夢が覚め、神の啓示を受けた私は、どうしたか?

【1】石原都知事に本案を献策し、14億7000万円を保護協会に寄付させようじゃないか。
9月14日、野田首相による「尖閣諸島国有化」のニュースを観て、「これは揉めるぞ!何とかせねば」。石原さんが10万2000人から集めた寄付金を返す前に、そして辺野古の工事が始まる前に「普天間の代替基地」として「魚釣島」を利用せねばと考えた。手順を踏んでる暇はない。下手な手順は糞詰まる。そこで直ぐに《都民目安箱》に投書した。千葉県柏市民では却下されかねないので、都内勤務先の住所を記載。涙ぐましい1週間の動きとなった。

【2】同時に、受け皿たる「日本ナショナル・トラスト協会」をその気にさせにゃならん。
同協会は英国発祥の自然保護団体であるが、世界的に広がって、英国では350万人の寄付金を集め,女王に次ぐ大地主となっている。我が国でも「知床」「白川郷」や東京埼玉に跨る3000haの丘陵地「トトロの森」の保護で有名。

しかし残念ながら両者とも返事は無く、正当と言えど、個人意見で世の中を動かす難しさを味わった。だが、トラスト協会の方は、さすがに気が咎めたのか、総務部長から「文書では出し辛いので」と、電話あり。
「当協会はあくまでも自然保護を目的とした土地買収であり、強いて似た話をすれば、現在,対馬の山猫が僅か100匹と絶滅寸前なので生息地の買取を準備中ですが、その背景は韓国人による不法捕獲の増加に対処するものです」。
「さて、当の魚釣島では30年前から或る右翼団体がヤギを放逐し、今や500頭にも繁殖。その団体から生息調査を依頼されたのですが、どうもその目的が《領有権の既成事実つくり》と聞かされているので、躊躇している状況です」。
なるほど、私の依頼は 「モロに領有権」なので唸っている訳だ。それじゃ尚のこと、動けないか。

加えて、これは絶対内緒ですよ!と口止めされて聞かされたのが…
会長から直々に「この住田という人は“最高顧問”というからには、前職が相当な経歴に違いない。よく調べなさい」と。
ここは正直に 「1年前まで東京電力に居て、地球温暖化防止活動をやっていました」 と自己紹介はしたものの、暫くはキョロキョロ周りに目を配り、下手な寄り道せず真っすぐ帰ることにした。

【3】ところで、いったい魚釣島改造は寄付金で足りるのかいな

「東京都」と「トラスト協会」の対応は待つしかないが、「魚釣島滑走路建設費用」は果たして20億円で足りるのか?
この50年、空調設備の予算見積で生きてきた男として,分野違いのこの手の設計見積ができる人脈を一晩考え、こんな酔狂な作業にタダで取り組んでくれそうな友人を見つけた。「K建設」役員の彼に趣旨を話すと「面白いじゃないか、2週間くれ」と言う。そして土木本部挙げて出てきた答えがこれである。当然ながら《非公式かつ私信》で回答を得た。

*検討条件
1)造成敷地高:内閣府発表の南海トラフ対応の沖縄最大津波高さ5mに付き、造成地標高は10mとする。
2)造成平面積:普天間基地と同様に490ha以上とする。
3)埋立護岸:標高+10mで切土の場合、平面積は350ha。2項に満たないので埋立・護岸が必要。水深20mとする。

*結論

一縷の望みを賭けて 「専門家による工事見積」を取ったが、当ても想像以上に外れると声も出ない・・・

結びに: 君は沖縄をどう思っているのか
《八月や 六日九日 十五日》 これは多くの市井人に詠まれてきた「詠み人多し」の俳句である。
「これに6月23日を加えたい」。天皇陛下は沖縄慰霊の日を忘れてはならないと仰って居られる。
今年もこの4つの日にそれぞれの場所で慰霊式典が開かれた。
 《原爆を 知れるは広島長崎にて 日本という国にはあらず》 被爆者歌人の句であるが
 《沖縄を 知れるは沖縄のみにて 日本という国にはあらず》 これが沖縄人の思いであろう。

「沖縄の気持ちに寄り添って・・・」 式典で読み上げられる歴代総理の常套句が何とも白々しい。
亡き翁長知事が生前、報道陣の質問に答えていた言葉が全てを語っている。
「政権の何が一番ダメなのかを問われれば、12万人もの犠牲者を出した沖縄に対する”愛が無い”の一言です」

1972年、終戦から27年後、やっと返還された沖縄も、米軍擁護たる《日米地位協定》の壁は厚く、占領政策の名残りを残している。島民の怒りは遂に1995年、米兵による少女強姦事件で爆発した。然るに30年経った今年でも4件の性的暴行が発生。それも県が知ったのは3か月後。我が国の人口1%のこの島がいつまで犠牲を強いられねばならないのか。未だに「辺野古の埋め立て」も進まず、地盤の弱さには捨て金同然。国防省には「普天間居直り」説も浮上。いつまで引き摺り回されるのか。

このドラマ「街頭録音」が12年後の今、台風一過の夜長の夢枕に立ったという今日のお話。いかがでしたか?
さあ野田さん。もう一回、天下取って、今度は【喧嘩支度の男気】を出して、沖縄を開放して上げて下さい。
そして最初の国会審議で叫ぶのです。

 《国防費43兆円から、尖閣諸島に1兆円くらい出したらんかい!》

・・・傘を差す(傘寿)準備が出来ても尚、《男気》だけは衰えない。このままピンピンコロリで行くか・・・

 ー 完 ー 

 

 

 

 

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