冬の華ー西欧のクリスマスマーケットに魅せられて
2024/04/02
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32年前の8月、家族旅行で訪れたドイツ南部のローテンブルク。中世の宝石箱と謳われ、中世の姿を今日に残す小さな町。クリスマス・ビレッジとも呼ばれ、街の一角に華やかなクリスマス用品を1年中販売する店が軒を連ねている。素朴な木造りの人形の数々が強く印象に残り、いつかクリスマスの時期にヨーロッパを巡りたいと思った。
夢が叶い、2005年の12月19日フランス東部の町ストラスブールを訪れる。その後コルマール、ドイツ西部のフライブルク、スイスのバーゼル、ベルン、モントレー、ジュネーブ各地のクリスマスマーケットを巡り、すっかり魅せられてしまった。
テント張りの店や屋台はそれぞれ特色のある手作りのクリスマスオーナメントを揃え、一つとして同じ品揃えの店はない。
ドイツの黒い森フライブルクでは日本の正月準備と同じで、飾り物もよく似ている。幼稚園や小学生の団体がいかにも楽しく嬉しそうに店々を覗いて回っている。
スイスのバーゼルでは質実なドイツとはまた違った趣の市がたち、ツリーに飾るオーナメントもどことなく上品な感じがする。平日にもかかわらず大人から子供までたくさんの人であふれ、皆心から店巡りを楽しんでいる。毎年、少しずつオーナメントを買い揃えていくという。
ベルンは小じんまりとしたマーケットで、品数も少なかったが、楽しそうな雰囲気は変わらない。一面の銀世界、レマン湖畔のモントルーで開かれているクリスマスマーケット。無数のスワロフスキーで飾られたツリーは豪華で見事。ここにも小さな子供たちがいっぱい。
2008年には個人旅行でオランダのユトレヒト、ライデン、マーストリヒト、ベルギーのブリュッセル、ブルージュ、2009年にはドイツ西部のアーヘン、ケルンのクリスマス市を巡った。
< 欧州各地のクリスマスマーケット風景 >
< オランダ・マーストリヒト >
< ドイツ・アーヘン >
< ドイツ・ケルン >
大聖堂や教会前の広場にテントや小屋、屋台が軒を並べて、クリスマスオーナメントやアクセサリー、食べ物、ホットワイン、ホットココアなどを商う。
ドイツではパンに挟んだ大きなソーセージをパクつきながら、ベルギーでは甘いワッフルを頬張りながら市を巡る。
日が落ちて、オレンジ色の灯りが灯るとクリスマス気分が昂まり、雰囲気が盛り上がる。家族連れ、老いた夫婦、若いカップルが、頬をゆるめ、楽し気に語り、そぞろ歩く。日本の正月とはまた違った雰囲気が楽しい。
マーケットにはアイススケート場や観覧車も設けられ、子供たちの歓声が響く。国によって建物もクリスマスマーケットも雰囲気が違い、それぞれのお国柄が出て興味深い。
ヨーロッパの冬は凍てつく寒さ。夜は長く戸外にいられない。子供はホットココア、大人はホットワインで体を暖める。マグカップはそのまま持ち帰っていい。毎年意匠を変え、それぞれの町で特色あるカップが作られる。記念に集めるのも一興。我が家では12月になると普段食器棚の奥にしまい込まれているこのマグカップで、コーヒーや紅茶を楽しんでいる。
機会があればもう一度冬のヨーロッパを訪れ、クリスマスの華やかな雰囲気を味わいたいと思っている。
- 完 -