信貴山断食道場の思い出 22・23

      2020/10/21

1965 Nov.8-17

「その時、君は?」【008】 市丸 幸子

※次回(6月10日更新予定)が最終回になります。

 

信貴山断食道場の思い出22  なぜ白米・白砂糖はいけないのか?

 

前回、日本人のDNAに合った食生活について紹介しましたが、今回はその続きです。
もともと穀物や魚介類を主食として、健やかに穏やかに暮らしていた日本人の食生活
の歴史をひも解くと、3つの大きな転換期(悪い方へ)があるのだそうです。

〔その1〕 徳川8代将軍吉宗の時代・・・白米の普及
江戸中期、大名や高級武士に白米が普及し、ビタミンB群の不足で脚気がふえ、
50万人が死亡したそうです。当時脚気は死に至る病気で、国元では麦飯や栗飯を食べていた
諸藩の家臣が、参勤交代に随行し江戸にのぼると白米を食べるため、江戸駐在期間が
長くなるにつれ発症しました。ところが、国許に帰るとピタッと治ったので、
 脚気は江戸特有の病気として「江戸患い」と呼ばれたそうです。

※脱線ミニ知識・・・本題には関係ないのですが、徳川三代将軍家光(享年48歳)、十三代将軍家定(同34歳)、14代将軍家茂(同21歳)の死因は脚気が原因の心不全でした。

ちなみに14代将軍家持とその妻和宮は、徳川代々の将軍夫妻の中で、唯一仲睦まじい
カップル。初恋の人との仲を裂かれ、いやいや江戸に下った皇女和宮は、誠実で優しい家持
の人柄に次第に心惹かれていくのですが、幕末の不安定な政情で一緒に暮らしたのは
わずか3年ほど。最後は遠征先の大阪で、家持は脚気で急死してしまいます。

和宮は幕府が倒れた後も34歳まで生き、夫の写真と一緒に埋葬されたのだとか。これでも
飾り物じゃなかっただけ、歴代将軍の妻としては幸せな方だったそうです。

何しろ昔の女性は高貴な身分の人ほど、身の回りのことは一切やらせてもらえず、
庭などを散歩しただけで周囲は大騒ぎ、
「まあまあ姫様、危のうございます。庭を歩くのはお止めくださいませ」などと言われ、満足
に運動もさせてもらえなかったらしいですから…早死にするはずですよね。
(ノ_・、)

◆左:徳川家茂は21歳で没  右:和宮は34歳で没(身長143cm・体重30kgだったとか)

 

〔その2〕 明治時代・・・白砂糖の普及
黒砂糖を精製するようになり、ミネラルやアミノ酸が失われたため、体が冷え結核がふえた。

〔その3〕 第二次世界大戦後・・・欧米型食生活の普及
高脂肪・高カロリー、動物性脂肪や乳製品の摂りすぎで血液が汚れ、生活習慣病やアレルギーがふえた。

この悪玉3人組(白米+白砂糖+欧米型食生活)に加え、食品添加物や農薬、環境汚染
などによって体を痛めつけているのが現代人です。
そんな疲れた体を癒し、胃や腸をゆっくり休ませ、有害物を出し切って本来の状態にリセットするのが
「断食」の第一の目標というわけです。

※白米・白砂糖・欧米型食生活のすべてが悪いわけではありません。ほどほどにを
心がけるといいのではないでしょうか。

 

信貴山断食道場の思い出23  なぜ、べトナム女性は皆スリムなのか? 

断食道場でのおしゃべりタイムで、女性を世界一美しく見せる民族衣装は何だろう
という話になりました。

もちろん皆が口々に誉めそやすのは日本女性の和服の美しさ。気高く凛とした
美しさがある、奥ゆかしく慎ましい所作、染や織りの精緻な美しさ、自然や季節を
写した文様が素晴らしい、日本が世界に誇る最高の総合芸術である等々・・・。
わずかに首筋、袖口、足首に垣間見える部分から、その全体を想像する愉しさがあるなどと
主張する人もいて、女性の和服に対する男性たちの妄想は止まりません。

他にもインドのサリー、中国のチャイナドレス、朝鮮民族のチマチョゴリ、絢爛豪華な
艶やかさではやはりヨーロッパ宮廷のドレスが最高だろうなどと、いろいろ意見が出ましたが、
ある人がベトナムのアオザイをあげ、一瞬でその場がシーンとなりました。

う~~ん、納得かも!

確かに、私がこれまでに一番女らしく美しいと思ったのは、ベトナム旅行で出会った
アオザイ姿の女子高生たちです。
豪華さや艶やかさはあまりないのに何故だろうと考えると・・・アオザイって全身を隠してる
ようで、実は体のラインが丸わかりなんですよね!

にわか雨で木の下で雨宿りをしているのを見かけたのですが、雨に濡れて下着が透けるのを
恥じらうようすが、清楚なのに色っぽくて・・・。ツアーで同行した男性たちがいっせいに
息を呑む音が聞こえるみたいでした。ま、悔しいけど納得です。

アオザイは全身20か所を採寸して、身体のラインぴったりに作ります。各所を止めて
いるのはスナップなので、もしも太るとスナップが飛んで大惨事に。だから1ミリだって
太れないのだそうです。ベトナムの女性が清楚で皆スリムなのは、そんな秘密があった
のですね。

あ~、若い頃にアオザイを作っておけばよかったな! 妻にプレゼントしておけば
良かったな! そう思う方は、今からでも遅くはありません。
アオザイの薀蓄を添えて、娘さんやお孫さんに「いつまでも今のままの美しさでいてね」と
プレゼントしてあげれば、きっと喜ばれるのではないでしょうか。
ヾ(✿❛◡❛)ノ

 

 

 

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