信貴山断食道場の思い出 19・20・21

      2020/10/21

1965 Nov.8-17

「その時、君は?」【008】 市丸 幸子

※毎月10日・20日・30日に原稿更新中です。

 

信貴山断食道場の思い出19  デブは人間としては上等!? 

断食道場ではいろんなことを学びましたが、一番役に立ったのはやはり、
正しい食事についての講座です。中でも、「人はなぜ太るのか?」というメカニズムに
ついては、目から20数年分のウロコが「ぼとっ!」と落ちたような気分でした。

「人が太るのは、消費カロリーより摂取カロリーが多いから」って、誰でも知ってる
ことですが・・・。実はそれだけではなく、数百年・数千年にわたってDNAにプログラミング
されている"飢餓の記憶"によるものらしいのですね。

(._.?) ン? 飢餓の記憶って、何それ?

実は、人が毎日苦労もなくお腹いっぱい食事ができるようになったのは、ここ百数十年のこと。
それ以前はというと・・・人間も自然界の一員として、食べ物を求めて苦労した時期が長かったので、その記憶から"何かあった時の非常用に脂肪を溜め込んでしまう"らしいのです。
う~ん、ありがたいことだけど太りやすい人間にとっては迷惑な話ですね!
(ー'`ー;)

おまけに私たち日本人の祖先は、この島の穏やかな自然を求めて大陸から渡って来た農耕民族。
争いを好まず、狩猟もあまりせず(つまり肉食をしない)、少ないカロリーで
元気に働けるDNAが現在まで伝えられているのだそうです。

だから日本人の体には、「玄米・菜食」つまり、精白していない穀物や豆類・大豆製品
などを40%、野菜・果物・海藻などを30%、魚介類を30%食べる、昔ながらの日本食が一番!
つまり栄養学的に言えば、日本人に肉食は必要なく、肉はあくまでも「嗜好品」と考え、
時々食べるのがいいとのことです。

さて、今回のおさらいですが・・・
太りやすい体質の人は、自信を持ちましょう。私たちは、人間としては「とっても上等!」
これは間違いありません。
私たちは危機管理能力に優れ、節約上手で燃費はバツグン!地球のエネルギー問題にも貢献
する、"超省エネタイプ"の人間ということになりますよね! ははは。

 

信貴山断食道場の思い出20  断食道場☆最後の日

最悪の体調・・・頭痛、めまい、脱力感などに始まって、空腹との闘い、
住居侵入・窃盗未遂(笑)、 断食ハイによる躁状態、そして淡い恋などいろいろあった12日間も無事終了。ついに退所の日がやって来ました。

食事は前日おもゆになり、三分食、五分食と戻っていきます。

まるまる10日間の本断食を終え、久しぶりに食べた復食は玄米ご飯、大根とひじきの煮物、
ほうれん草のゴマ和え、みそ汁など。震える手で口に含み、ゆっくりと胃の中へ送り込んだときの感激を、今でも忘れることができません。あー幸せ
(^▽^喜)♬
大根の煮付けなんか田舎臭い、ひじきなんかゴミみたいと思っていた私なのに・・・。
世の中に、こんなに美味しいものがあったなんて!!

長い間休んでいた胃腸たちが再び元気に活動を始め、細胞の一つひとつが
歓喜の声を上げるのが聞こえてくるみたいでした。
断食後に呑む酒の旨さが忘れられなくて、また断食をする・・・「断食は究極のグルメだよ」
と言っていた社長の言葉が、その時初めて理解できた気がしました。

体重は結局12日間で8.5キロ減。血行が悪くすぐに赤くなり、油もの・甘ものが好きな
せいか、吹き出物が出やすかった肌も、すべすべツヤツヤになりました。

断食という未知の体験から得たもの、それは人の心と体の不思議さ、生命の素晴らしさを体感できたこと。沢山の出会い、心と体に悩みを持つ皆さんの優しさ、励まし、人生で大切な
ものへの気づきなど・・・。そして何より大きかったのは、
「やれば出来るじゃん、私! 偉いゾ、私!!」という自信です。

極限にまで追いつめられると、イロイロ予想外のことをやらかしてしまう自分の性格
も再確認できましたしね!

「もう太ったら、あかんよー」
「これからの1ヵ月が大事やから、頑張ってね!」「手紙書くからね~」
最後まで優しい皆さんに見送られ、ウルウルとなりながら、山を後にしたのでした。

 

信貴山断食道場の思い出21  血液サラサラ、内臓美人へ再生の道

断食で血液サラサラ、内臓はどこもかしこもピッカピカ!
体内の管という管、袋という袋のクリーニングをすませ、まるで赤ちゃんのように生まれ
変わったら、次は何を食べるかが大事になってきます。

断食の三本柱――食を断つ、精神修養、そして「食養生」の中でも、実は
これが一番むつかしい。断食がうまく行かなかったという人は、実はこのアフター断食の
食べ方に失敗して、元の木阿弥になることが多いのだそうです。

 

道場が推奨している、「正食」による食養生とは・・・

1.玄米菜食をベースに、自然の摂理に合った、本当に身体が求めているものを食べる。
精白してない穀物、特に玄米は、人の生理にもっとも適した食べ物で、老廃物や毒素を排出し、血管を若返らせる。

2.一物全体(いちぶつぜんたい)・・・生命のあるものを、丸ごと食べる。
●魚は身の部分だけじゃなく、圧力釜などで、骨や頭もやわらかく煮て食べると良い。
●小魚や小エビなどを、もっと食べるようにする。

●海藻は「一物全体」の理想形。植物の花・葉・茎・根を均等にミックスした姿をしているので、どこを食べても全体を食べたことになる。
●化学的に合成した「機能性食品」は、栄養はあっても「生命」がないので、食べてもあまり意味がない。
●調味料は本物の塩、味噌、醤油、ゴマ油など。白砂糖、精製した塩、化学調味料はNG。添加物が入った食品もできるだけ食べないこと。
●みそ汁はミネラルの宝庫、醗酵食品のパワーがいっぱい。

3.身土不二(しんどふじ)・・・生まれた土地のもの、季節の旬のものを食べる。
4.良く噛む。(ひと口50回以上)

 

それでも、いきなり全部をやろうとしても現代生活ではムリ、付き合いもあるし・・・。
できること、納得できることから、少しずつ始めるのがいいみたいです。
たとえば飲み物や料理に白砂糖は使わないとか、週末マクロビオティックとかね!

大切なのは無理やり「やらされる」感覚じゃなく、血液や内臓をきれいに保つため、「自分の意思で、選んで食べる」ってことなんですよね!

つづく

 

 

 

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