京都で除夜の鐘を撞く 洛東 高台寺

      2020/03/24

 

寒中お見舞い申し上げます。

 寒さが厳しくなって参りましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 年越しは京都で除夜の鐘を撞く…。年末年始の恒例行事として、わが家のしきたりを寿禄会ホームページで紹介して今年で3回目。令和初めての年越しは、京都東山「高台寺」を訪れ、清々しい気持ちで新年を迎えることができました。

臨済宗建仁寺派 鷲峰山高台寺

高台寺は1606(慶長11)年、豊臣秀吉の正室ねねが秀吉の菩提を弔うために創建。境内は桜、竹、百日紅、紅葉などで彩られ、1年を通して多くの参拝者が訪れる。

開山堂を取りまく池泉回遊式庭園は、江戸初期の芸術家小堀遠州の作庭によるもの。また、秀吉とねねの坐像を安置する霊屋(おたまや)内部に施された蒔絵は、桃山時代を代表する工芸手法で「高台寺蒔絵」と称され、他にも蒔絵調度類を多数蔵することから「蒔絵の寺」とも呼ばれている。

 高台寺は、除夜の鐘を撞かせてくれる京都のお寺の中でもかなり人気のある方なので、四条河原町近くの宿を早めに出てお寺に向かった。祇園を直進して八坂神社の境内を通る。もうかなりの人が参詣しているが、本当に混むのはこれからであろう。

◆大晦日の「おけら参り」で賑わう八坂神社から、石畳の「ねねの道」を通って・・・

 境内を右に出て「ねねの道」を南に進み、東に「台所坂」を登って門をくぐると鐘楼の横に出る。番号札の配付を待つ人の列はまだ短かった。我々の到着は8時直前だったので、新年までほぼ4時間、番号札が配付されるまで2時間待たねばならない。周りを見回すと圧倒的に若い人が多い。

 高台寺はその名のごとく高台に位置するので、鐘楼の近くからも新年を待つ京都の町を望むことができる。

 10時から番号札の配付が始まった。我々は35番の札を頂いた。

 10時近くになると鐘楼の近くでかがり火が焚かれる。有志の方々によって甘酒も提供された。

 撞き始めまでに若干時間の余裕があったので、八坂神社周辺に戻って新年を迎えようとする人々の流れの中に身を投じた。八坂神社は人、人、人の波である。時を見て高台寺に戻る。お坊さんたちの指揮のもと、所持する番号札に従って除夜の鐘が始まる。

 我々より10組ほど前の撞き手が台に登ると、お坊さんの一人が前に出てカウントダウンが始まった。そして新年…台上で待機していた撞き手による鐘の音が響き拍手と歓声が挙がる。それからまもなく35番、我々の番である。強すぎず弱すぎずを心がけて撞く。無事撞き終えるとしばらくその場の雰囲気を楽しみ、さらには深夜営業していた「高台寺賑店」で京の土産物を買い求めた後、ホテルへの帰路についた。

 

 

 

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