京懐石普茶料理を堪能

      2018/05/06

 

 koya tanaka 田中 功也

 

 

 終日雨模様の前日から一転、よく晴れて心地よい風が頬をなでる4月26日、黄檗禅寺瑞芝山「閑臥庵」(かんがあん)で京懐石普茶料理を楽しんだ。

 京都市営地下鉄烏丸線の鞍馬口駅から東へ徒歩5分。江戸時代1671年に開山された禅寺がひっそりと佇んでいる。後水尾天皇の実弟梶井常修院の宮の院邸。もみじの新緑が眩しい。

 京普茶料理は、油を巧みに使うのが特徴の精進料理で、薬膳料理に通じるものがある。材料が非常に健康的で、黄檗宗の高僧はおしなべて長生きだったといわれる。

 本堂のすぐ脇の広間で11種の料理を楽しむ。

 〇 季節野菜の煮合わせ 〇 うめぼしの日の出揚げ 〇 揚げ物 
 〇 胡麻豆腐 〇 くず引き 〇 お浸し 〇 栗もどき 
 〇 湯葉 〇 酢の物 〇 ご飯、すまし汁、漬物 〇 果菜 

 野菜はどれも甘く美味しい。アジサイの生花が添えられ、庭のツツジの天ぷらが珍しい。芋でできた栗もどきやジャガイモを細かく刻んだ酢の物も珍しい。宇治の黄檗山万福寺の普茶料理とは大分趣が違っている。

 本堂にある「釈迦牟尼仏砂曼荼羅」は、開山330年を記念し、チベット密教の高僧が来日して閑臥庵で製作した。塗料は一切使わず天然鉱物そのものの色という。

 西欧の人も何人か訪れていた。中の1人はフランス人で、大阪に1日、京都に10日滞在するという。

 静寂に包まれた禅寺での精進料理におなかを満たされ、心を洗われて、向かう相国寺への道にはモッコウバラの黄色い花が満開であった。

 

 

 

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