私はこの歌詞の中でもとりわけ
朝の買物 あの新妻の かごにあふれた 春の色~♬ のフレーズがお気に入り。
この辺りを口ずさむと、例えば石田ゆり子扮する新妻が「待って待って・・・」とほほを上気させながら、走り去る花売りの車を追いかけてくる映像が目に浮かび、気持ちが華やぎます。
因みに新妻を英訳すると「new wife」となりますが、比べてみると、日本人の繊細な美意識が際立ちますよね。
それはさておき問題なのは…
ジェンダー意識の高まりからくる"言葉狩り"の波が、「新妻」にも迫ってこないかという心配です。「新妻」という言い方は、「古女房」には気イ悪いので廃止しようとか何とか・・・!
お内儀・ご新造・ご内室などの雅やかな呼び名はすでになく、奥さん、家内、おかみさん、嫁、嫁ぐなどの表現も、男女の性差を助長するものだから廃止、またカップルは男女とは限らないので、全部まとめて「パートナー」と呼ぼうという動きがあるらしいですね。
そんなことになったら、詩や文学は荒れ果ててしまわないでしょうか??
もちろん社会での活躍の場で性差別があってはならないことは承知の上で言いますが、
男女を表現する言葉に違いがあって、どこが悪いのでしょう?
そんなに何もかも平等にして、何が面白いのでしょうか?
性急に今のような言葉狩りをつづけ、長い年月をかけ先人たちが磨きあげた美しい日本語と、そのやわらかな多様性を捨て去った後に残る荒廃の責任を、誰がとってくれるのでしょうか。