弟が亡くなったとき、身も心もバラバラに張り裂けそうで、
誰かの胸にただ顔を埋め、泣ける場所を探してさまよっていた気がします。
でも、そんな場所はないんですよね。大人だし、悪い意味ではなく皆忙しいから。
病室を訪ねると、少し驚いた顔をしたあとで、突然子供のように、
あなたは泣きじゃくっていましたね。
弱みなど一度も見せたことがなかったのに、
「ねえちゃん、ねえちゃん」とべそをかきながら後を追いかけてきた、遠いあの日
のように。
「泣かないで」そんなありきたりな言葉で、あなたの頭を撫でたのだけれど
バカだね、ねえちゃんは…。
思いっきり一緒に泣いて、涙が枯れるまで泣かせてあげればよかったね。
ただ黙って、抱きしめてあげればよかったのにね。