万葉集から演歌まで 好きな詩・短歌・俳句・歌詞を教えて下さい。  ( 018 哀しい人 市丸幸子 )

      2021/08/19

市丸 幸子

 

弟が亡くなったとき、身も心もバラバラに張り裂けそうで、
誰かの胸にただ顔を埋め、泣ける場所を探してさまよっていた気がします。
でも、そんな場所はないんですよね。大人だし、悪い意味ではなく皆忙しいから。

病室を訪ねると、少し驚いた顔をしたあとで、突然子供のように、
あなたは泣きじゃくっていましたね。
弱みなど一度も見せたことがなかったのに、
「ねえちゃん、ねえちゃん」とべそをかきながら後を追いかけてきた、遠いあの日
のように。

「泣かないで」そんなありきたりな言葉で、あなたの頭を撫でたのだけれど
バカだね、ねえちゃんは…。

思いっきり一緒に泣いて、涙が枯れるまで泣かせてあげればよかったね。
ただ黙って、抱きしめてあげればよかったのにね。

 

哀しい人 1999年 作詞:山田ひろし 作曲:都志見 隆 歌:中村雅俊

 時が止まらず 流れてゆくことが
 人の本当の 哀しみだね

 だけどそれでも 歩いてゆけるのは
 どんな時でも 過ぎ去るから

 哀しい人 君のそばにいよう
 慰める事もできないけど 見つめているから

 もう自分を 許してあげればいいだろ
 子供じゃなくても 泣いていいんだよ

 とてもよく似た 痛みを知ってるよ
 まるで同じじゃ ないけれどね

 だから「ひとりにしてよ」という言葉
 それが嘘だと 分かるのさ

 哀しい人 君を抱きしめよう
 ほんの少しでも暖めたい 凍えた心を

 もうすべてを 許してあげればいいだろ
 失うためだけに 生まれた様でも

 哀しい人 君のそばにいよう
 いつの日か僕も 君の肩を借りたい 日が来る

 もう自分を 許してあげればいいだろ
 子供じゃなくても 泣いていいんだよ
 今夜だけ此処で 泣いていいんだよ

 

子供じゃなくても 泣いていいんだよ 今夜だけ此処で 泣いていいんだよ

このフレーズを聞くだけで、ボロボロボロボロ…
そんな体になってしまいました。

 

 

 

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