万葉集から演歌まで 好きな詩・短歌・俳句・歌詞を教えて下さい。 ( 002 満州娘(クーニャン) 山本智子 )

      2021/05/23

当コーナーは、白水秀俊さん発案の新企画です。
これまでの人生の折々に心を揺さぶられた詩や短歌、俳句、歌詞などを披露し合い、
「うん、そうだね、わしもそう思う」とか、「よく似た詩が他にもあるよ」だとか…
ケンケン諤々、楽しい文芸論争を繰り広げようというものです。
皆さん、どしどし投稿してくださいね。(編集部)

※他の方に議論を吹っかけたい(あっ、間違った!メッセージを送りたい)人は、コメント欄に書き込んで下さい。

 

以前、聞き書き「満州国の思い出」のコーナーで紹介したように、私は生後11ヶ月で満州から日本に引き揚げてきました。香椎の大通りに面した二階建ての家に祖父母一家が住んでいましたので、しばらくの間同居していました。

私が3歳の頃父が宮崎大学で教鞭をとることになり、大学内の馬小屋を今で言うリフォームをして、その教員住宅で暮らし始めました。その頃30になるかならない若い母が、物干しに洗濯物をかけながらよく歌っていたのがこの唄です。

満州娘 昭和13年 作詞:石松秋二 作曲:鈴木哲夫 唄:服部冨子(服部良一の妹)

私しゃ十六満州娘
春よ三月雪解けに
迎春花(インチュウホワ)が咲いたなら
お嫁に行きます 隣村
王(ワン)さん 待ってて頂戴ね

銅鑼(ドラ)や太鼓に送られながら
花の馬車(マーチョ)に揺られてく
恥ずかしいやら 嬉しいやら
お嫁に行く日の 夢ばかり
王さん 待ってて頂戴ね

雪や氷よ 冷たい風は
北のロシアで吹けば良い
晴着も母と 縫うて待つ
満州の春よ 飛んで来い
王さん 待ってて頂戴ね

「嫁」という言葉がNGだという変な世になりましたが、
「お嫁に行きます隣村 王(ワン)さん 待ってて頂戴ね」と唄いながら、母と手を繋いで買い物に行っていた幼い頃を思い出し「満州娘(クーニャン)」の歌を紹介しました。

 

 

 

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