春うららの陽気に恵まれた23日の昼下がり、渋谷文化村のミュージアムで開かれている『ロマンティック-ロシア展』を観る。
お目当てのクラムスコイの「忘れえぬ人」を心ゆくまで鑑賞。9年振り8回目の来日となる大人気作品。北のモナリザともいわれる。
もやに包まれたサンクトペテルブルクの街から浮かび上がるように描かれた、憂いを含み孤独感を漂わせた表情に魅了され、角度を変えじっと見いる。何回も戻ってはまた見いる。この1点だけでも大阪から来た甲斐があったというもの。原題は「見知らぬ人」。「忘れえぬ人」は日本人の命名という。
写実的な風景画、印象派ルノアールを思わせる作品、子供の世界を描いた作品、日常を描いたものなど、他の70点もどれも素晴らしく、ロシア絵画を見直した大満足のひとときであった。
展覧会は27日まで。このあと岡山、山形、愛媛を巡回する。
19世紀後半のロシア美術の粋を集めた展覧会。あと4日ある 。東京の人にはお薦めしたい。国立トレチャコフ美術館所蔵。