今、天王寺の大阪市立美術館で、世界三大美術館の一つニューヨークの「メトロポリタン美術館展」が開かれている。
17日午後、妻と二人名画の数々に至福のひとときを過ごす。
古代の神々の物語を描いた初期ルネサンスの宗教画から、劇的な構図のバロック絵画、近代市民社会の軽やかな印象派の名作ばかり65点が展示され、そのうち46点は日本初公開。
ほぼ門外不出だったラファエロ、カラヴァッジョ、エル・グレコ、クラーナハ、フェルメール、ドガ、レンブラント、セザンヌ、マネ、モネ、ゴッホなど、米国が誇る西洋絵画の傑作ばかりを集めている。同美術館が大規模改修工事のため実現した、500年の美の歴史を辿る夢のような、展覧会である。
レンブラントの、褐色のエプロンに溢れそうな花を抱えた女性を描いた「フローラ」、晴れた日の浜辺でくつろぐ姿を、明るい色彩で表現したルノワールの「浜辺にて」、信仰を擬人化して表現した異色の大作、フェルメールの「信仰の寓意(ぐうい)」、ゴッホの「花咲く果樹園」、光景を幾何学的にとらえたセザンヌの「リンゴと洋梨のある静物」、抽象画のようなモネの「睡蓮」。この他、劇的な描写と極端な明暗で一時代を築いたカラヴァッジョの「音楽家たち」、マネの「剣を持つ少年」、ブーシェの「ヴィーナスの化粧」などなど珠玉の名品ばかり。一生に一度体験できるかどうかの素晴らしい展覧会だった。
金曜日の午後にもかかわらず、たくさんの美術ファンが訪れていた。
会期は1月16日まで。2月9日からは東京の国立新美術館に巡回する。
