カメラとともに Vol.12 優曇華(うどんげ)の花をみつけました

      2021/02/03

 

 今回は謎の物体と遭遇した話です。

 

 新たにゲットしたマクロレンズの性能チェックを兼ねて萩の花を撮影しました。

 

 帰宅して見返していると,撮りあさったうちの一枚に何やら白いポツポツが写り込んでいました。ぼけていて正体が分かりません。なんじゃこれ?

 

 気になって翌日もう一度行ったところ,白いポツポツの正体を確認できました。これだ! それにしても小さい。

 

 おもいっきり寄ってみると,小さな粒状のものが細い糸でぶら下がっています。この不思議な構造物を見て好奇心に火がつきました。
 物の本によると,これは「優曇華(うどんげ)の花」とよばれているものらしい。三千年に一度の如来光臨とともに咲くという伝説の花だとか・・・。という情報をもとにたどり着いた答え,実はクサカゲロウという昆虫のタマゴでした。初めての出会いにいたく興奮。
 詳細に見ると,魚釣に使うテグスのような細い卵柄の先端にぶら下がっているタマゴは0.4 mm×1.0 mm弱の楕円形で,淡い緑がかった色をしていることからヨツボシクサカゲロウのものかも知れません。マクロレンズの本領発揮。

 

 これは真っ白で,楕円形がつぶれたようになっています。既に孵化して幼虫が外に出たあとの抜け殻だと思われます。上の写真よりも,こちらの方が花びらっぽく見えるので「優曇華の花」とよばれるのはこのタイプかも知れないなどと勝手に想像しています。

 

 よく見ると,茎や葉っぱに小さなアブラムシがひしめいています。これは孵化した幼虫のエサになるそうです。タマゴから孵化した幼虫はこのアブラムシを食べて育つというわけ。つまりクサカゲロウはアブラムシがたくさん居るところにタマゴを産み付けるということでしょう。萩の木に限ったことではないようです。

 

 優曇華の花が満開。これらも抜け殻のようですが,色々な形のものを並べてみました。小ささに目が慣れてくると結構見つかるようになりました。

 

 タマゴは10個前後でまとまっていることが多いようですが,1~2個の場合もあって,それはそれで面白い形をしています。ただ,あまりにも小さいので,そのつもりで見ていない限りは先ず気づかないでしょう。

 

 今回はクサカゲロウの幼虫や成虫の写真は撮れませんでした。気づいた時期がやや遅かったので来年またチャレンジしようと思っています。孵化したあとの幼虫が生長する過程にも興味がわいてきました。何せこの奇妙な形のタマゴに出会って以来,すっかりハマってしまったようです。

 

 

 

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