これなんやろか 第9回 春から初夏へ
2023/07/29
小田 紘
春から初夏へ季節の移ろい,草むらには色とりどりの小さな花がたくさん見つかりました。
この花は何年か前にも見た記憶がありますが,今回初めて「アメリカフウロ」という名前を知りました。写真では大きく感じますが花の直径は 5mm くらいの小さなものです。濃い紫色の縁取りをもつ葉っぱがユニークです。フウロ(風露)の意味は分かりません。
花言葉は「だれか私に気づいて」だそうです。人間にはあまり気づかれていないかもしれませんが,昆虫たちには人気があるようです。ホソヒラタアブが盛んにアプローチしていました。ピエロのとんがり帽子のようなものは果実で,大きく膨らんだ部分に種子が納まっています。
道端の草むらで黄色い小さな花を見つけました。花の直径は 5~7mmです。「コナスビ」と判明。野菜の茄子とは無関係で,球形の果実が小さなナスの形に見えるというのが名前の由来とのことです。
ニワゼキショウという花は以前から知っていました。しかしこの写真のような黄色いのは初めてです。正しくは「キバナニワゼキショウ(黄花庭石菖)」として区別されているようです。
定番の赤紫色のほかに,白紫色や真っ白のものもよく見かけます。
小さな黄色の花をつけた野草が群生しているのはよく見かけますが,改めて調べてみたところ「コメツブツメクサ(米粒詰草)」という名前でした。米粒状の微小な花が5~20個集まって直径5mmくらいの球状をなしています。
草はらに白やピンクの金平糖をまき散らしたような花を見つけました。「ヒメツルソバ」と判明。よく見ると小さな花が多数集まって球形を形づくっているのが分かります。
地味な花ですが草むらに結構たくさん見つかりました。「ハハコグサ」とのことですが別名を「ゴギョウ」または「オギョウ」といい,春の七草の一つです。草餅や草だんごといえば今では専らヨモギですが,以前はこの野草も使われていたそうです。
道端の草むらであざやかな黄色い花を見つけました。直径1cmたらずの小さい花ですが,5枚の花びらが細く尖ったシャープな星型をしています。「コモチマンネングサ」だと判明しました。黄色い星型の花からは異国の雰囲気が漂いますが,れっきとした在来種だそうです。それにしては古典などにあまり出てこないように思いますが私の認識不足かもしれません。この花の存在には今年初めて気づきました。小さいとはいえ結構目立つのにこれまで全く目にとまらなかったのが不思議です。やはりボーッと生きてきたのかも。
今年の3月~5月はたくさんの花と「初めまして」の出会いがありました。これからの季節は昆虫とのコラボも見られるのではないかと期待しています。