曹洞宗に属し新西国第31番・瀬戸内観音第7番の霊場
兵庫県赤穂市加里屋1992
花岳寺(かがくじ)は、JR播州赤穂駅から南へ徒歩10分。
赤穂藩祖浅野長直によって正保2年(1645)建立。赤穂事件以後は歴代藩主の菩提寺となった。
【鳴らずの鐘】
二代藩主浅野長友が父長直のために鋳造。
三代長矩の時、殿中刃傷に及び浅野家は断絶。
元禄15年12月14日、吉良邸討ち入り、長矩の無念をはらす。翌年2月4日四十六士は切腹。この知らせが赤穂に届き、町民は四十六士の死を悲しみ、花岳寺に集り延々とこの鐘をついた。
「爾来音韻を失すること五十年」、「寛政9年再改鋳」と梵鐘に銘記してある。
音韻を失していた間、この鐘を誰いうとなく「鳴らずの鐘」といっていた。
太平洋戦争の折、全国の寺々の鐘は供出を命じられたが、「義士との由緒深きにより」と供出を免れた。
元禄の昔日を彷彿とさせる史跡だが、5日、雨が降り真冬の寒さに戻ったあいにくの天候に、訪れる人の姿はなかった。