大阪・豊能の里山にもやっと秋の色が出てきました。皆様その後お変わりありませんか?
七十五歳を過ぎ書物を処分していたら、1年前に訪れた高野山の資料が出てきました。私にとって「一年は一日」のようです。
仕事の関係で訪れた四国で、長年四国八十八カ所巡りをしておりましたが、その総集編として、真言宗の開祖、弘法大師の霊廟がある「奥之院」を訪れました。
一の橋から奥の院の御廟まで約2キロメートルの道のりには、おおよそ20万基を超える諸大名の墓石(戦国大名の6割以上の墓所がある)や、祈念碑、慰霊碑の数々が樹齢千年に及ぶ杉木立の中に立ち並んでいます。
御廟橋を渡ると大師御廟への霊域に入ります。この橋を渡る人は、橋の前で服装を正し、礼拝し、清らかな気持ちで霊域に足をふみ入れます。この橋は、36枚の橋板と橋全体を1枚として37枚と数え、金剛界37尊を表していると言われ、橋板の裏には、仏様のシンボルの梵字が刻まれています。
燈籠堂内には消えずの火として祈親(きしん)上人が献じた祈親燈(きしんとう)、白河上皇が献じた白河燈、祈親上人のすすめで貧しいお照が大切な黒髪を切って献じた貧女の一燈(いっとう)、昭和の時代にある宮様と首相の手によって献じられた昭和燈が燃え続け、その他たくさんの方々の願いが込められた燈籠が奉納されています。
日々を大切にしようと心を新たにしました。皆様とまた会える日を楽しみにしています。
2020年10月15日 佐藤光男