近鉄奈良駅から興福寺境内、猿沢池を経て、奈良町を抜けると元興寺(がんごうじ)に着く。
552年(一説に538年)仏教が伝来し、初めての仏教の寺として蘇我馬子が588年建立に着手した法興寺(飛鳥寺)を平城京に新築移建した官大寺で、南都七大寺の一つ。
百済の国王は日本最初の仏寺建立を援けるために仏舎利を献じたのをはじめ、僧、寺工、瓦博士、画工などを派遣してきた。その時の瓦博士の造った日本最初の瓦は、この寺が現在地に移った際も運び移されて、現在の極楽堂・禅室の屋根に今も数千枚使用されている。特に重なりあった丸瓦の葺き方は行基葺きとも言われている。
極楽堂の本尊は、三論学僧の智光法師が夢に観た阿弥陀仏の極楽浄土を描いた「智光曼陀羅」。
752年東大寺の大仏が完成し、その開眼法要が営まれた時、元興寺の隆尊が講師となってその宝前に華厳経を講じた。
奈良町は古い建物が残り趣きある町だが、近頃流行りのカフェやブティック、こじゃれた店が点在し、東京や大阪と見紛うほど。平日にも拘らずたくさんの人で賑わう。でもよく見れば、そのほとんどが欧米、中国、韓国の人達。
