その日は雨上がりで、濡れた歩道をクツを気にしながら博多駅から10数分をかけて会場につきました。
当日は故小林先生も同席されており、会場で「この雨のなかをどうやって来ましたか」と声を掛けてくださいました。同日に「福岡バラ会」が開催されており、午後は先生とご一緒していました。
さて佐藤光男君とはたまたま同席でき、大阪から来席した佐藤君に「バスケットをやっていた佐藤君!」と声を掛けました。近況などを話し合ううちに、佐藤君は思いもかけないことを打ち明けてくれました。
「出張から帰ったら妻が逃げていた。ボクを罵って出て行った」
私は返しの言葉を知りませんでした。何の慰めもできませんでした。ただこの同窓会出席が、彼にとって一抹の寂しさからの逃亡になっているのではと感じました。彼のような底知れぬ人格・魅力を持った方がどうして…
歌人柳原白蓮が夫の伊藤伝衛門に対し、
「あなたとの人生は、何一つ得るところがなかった」と罵って彼の下を去っています。